コミックシーモア

小川彌生作「きみはペット」第3話“はじめてのお留守番”原作のあらすじ&感想

100000385720003

■あなたが無人島に持っていくものは?彼氏?それともペット??

冒頭は掃除機の音をイヤがるモモを適当にあしらいながら、真剣に掃除をするスミレちゃんのシーンから始まります。

なぜ真剣に掃除をしているのかというと、ペットとして同居しているモモ(人間オス)を本当の犬だと思った彼氏=蓮實が、スミレの飼っている犬を見たい、と家に来ることになってしまったから。ペット=犬であることを蓮實に隠し通すため、スミレの友人であるユリちゃんから子犬を借りてくる気合いの入れ様。

 

そろそろモモを部屋から追い出そうとしたその時、玄関で蓮實とモモは鉢合わせしてしまいます。親戚の子供が勉強を教わりに来たとごまかし、モモを追い出しますが、そこで蓮實から意外なひとことが。「どっかで会わなかった?」と。

 

無事にモモを追い出すことに成功したスミレの部屋。ユリちゃんの犬は、知らない場所に連れてこられて興奮するあまり、蓮實の服にオシッコをかけてしまいます。

蓮實とふたりだけの時間に息が詰まりそうになったスミレは、ビデオでも…と思ってみるも、格闘モノとアニメしかない…冷や汗ダラダラのスミレの背を蓮實がそっと抱きしめ、そしてキス—-と甘い時間が流れそうになった瞬間、お金のないモモが帰宅してムードはぶち壊しに。

結局3人でアニメに感涙し、蓮實は出勤の時間が訪れ、スミレとモモの時間が戻ってきます。モモは「スミレちゃん独り占めタイム」と憎めない笑顔で抱きついてきて、その顔に弱いスミレは、すべてを許してしまうのです。

そこでモモから、ダンスの公演が来月2日間あるから来られる?と聞かれ、スミレの「どっちかなら行けると思う」という答えに、モモは「がんばろうっと」と気合いを入れるのですが…。

 

場所は移り、スミレと蓮實の勤める会社、蓮實がある新聞記事を持ってきます。そこに書かれていたのは、なんとモモの記事。そこには有名なダンスコンクールでのモモの輝かしい成績が取り上げられていたのです。今までモモについて何も知らなかった(興味がなかった)スミレは、そのモモの経歴に驚きを隠せません。

 

蓮實との食事中、蓮實の話に相づちばかりを打つスミレ。

 

心の中では、化粧直しをしたい、早くコンタクトをはずしたい、ストッキングを脱いで、モモの頭をなでてタバコを吸って…と、蓮實の前では自分を良く見せようと思ってしまうあまりに疲れ、その反対のことを欲する自分の心の声との間で葛藤しています。

家に帰ればモモの笑顔。モモはスミレを疲れさせない、だからそばに置いておける、それはどうして…?

 

ある日、スミレは蓮實にお泊まりデートに誘われます。その日程は、モモの舞台がある日にも関わらず、スミレはそれを完全に忘れ、浮かれ気分で泊まりの準備をし始める。そこにモモが「無人島に持っていく3つのものは?」と疑問をなげかけます。「火、本…」と考えていたスミレはモモの顔を見て、こう言い放ちます。「役に立たないんだから積極的に(モモのことは)置いていくわ」と。

 

旅行の前日、モモが足に怪我をして帰宅。「明日、スミレちゃんが連れてってくれたら病院に行こうかな」と言いながらも、モモはスミレの外泊を送り出してくれます。スミレは後ろ髪ひかれる思いで蓮實とのデートに出かけるも、何度も家に電話をしては、いつまでたっても出ないモモにやきもきし、とうとう蓮實をおいて自宅に戻ってしまいます。自宅で見つけたのは、モモの舞台の公演のチラシーーーそこでスミレは自分がモモの公演に行けると言ったことを思い出すのです。

 

モモの舞台のステージ裏に押し掛けるスミレ。怪我をした足をおしながら、ステージに立とうとするモモを見て、スミレは「無人島に行く時は絶対に連れて行くから」とモモを抱きしめるのでした。

 

 

スミレとモモ、蓮實のへんてこな形の三角関係をうまく描き、少しずつ話は前進しながら、一話完結で物語は進みます。取り繕わなくて済むモモとの関係と、優しくて甘い空気が流れるも自分を良く見せようと取り繕わなければならない蓮實との時間。スミレちゃんの外での女心と、内での女心の間で揺れ動く中、モモの的確で戦略的とも言える言葉でモモとの距離は確実に縮まっていきます。

外と内、どちらのスミレちゃんの気持ちにも共感できてしまうものの、はっきりしない心にこっちがやきもきする、そんな3話。これからもこの微妙な3角関係から目がはなせません。

 

 

2

うまく表示されない場合は 「きみはぺっとで 検索してね」