小田ゆうあ作「ふれなばおちん」第9話 原作のあらすじ&感想

 

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■夫以外の男性とのメールは、不倫ですか?

佐伯にメールをしてしまった夏。佐伯からの返信を読み返しながら「あたしなんかになんで。からかってるとしたらひどい。でも、もしホントの気持ちだとしたらーーー」と気持ちが揺れてしまう。そこで背後から娘の優美香から呼びかけられる。携帯を持たせてもらえない優美香は、後輩に明日の試合の激励メールをしたいから携帯を貸してくれと言う。

夏は、優美香は受験生なんだし、そろそろ部活の心配をしてる場合じゃない、自分の勉強はどうなんだ、と平静を装った。しかし優美香は、すぐ済むからちょっとだけ貸してよ、と食い下がる。優美香の手が携帯に触れた途端、夏は「最近ケータイばっかりさわって!お母さんも使うのよ!」と取り上げた。

優美香は、高校まではお母さんのを貸すって言うからそうしてる、貸してくれないのなら自分にも携帯を買え、と憤った。それでも貸そうとしない夏に、優美香は、急にギャーギャー言い出して、うざっと言い放って、荒々しく扉を締めて出ていった。
そして夏は、佐伯から来た「君に会いたい」というメールをすぐに消さなければ、と削除したのだった。

 

呑んだ佐伯が家に帰ると、そこには良がいた。酔った佐伯は、夏からのメールがあったことでさらに気分を良くし、良に抱きついた。

「おまえキューピッドだもんな~ありがとなぁ~」と。そのまますぐ眠りについてしまった佐伯を見ながら、キューピッドって何だ?と良が思っていると、佐伯の口から「なっ…ちゃ~ん」と寝言。
良はその言葉に「おばちゃんに手ェ出すなよ狼め!」と誓ったのだった。

 

夏はパート先のスーパーで品出しをしていた。仕事中に携帯が鳴る。慌てて見てみたものの、相手は義理の母からで、同僚には「ケータイ持ち込んじゃダメじゃない。マネージャーにまたイヤミ言われるよ」と釘をさされた。ちょうどそこにマネージャーの声。「おーいこっちも品出ししといてー。おばちゃんたちー」と。夏の仲間たちは、大声でおばちゃんたちって言うなよ、とマネージャーのいないところで苦言を言っていた。

その言葉に夏は、鏡を見ながら自分は本当におばちゃんだ。しかもキタナイ…。とひとりごちる。その姿を見たマネージャーが「おい!急げよおばちゃん。見とれるツラじゃねーだろっつの」と夏をなじった。
仕事が終わり、夏は携帯を確認する。今日、何回もメールをチェックしてしまっていた夏。佐伯との一瞬のやりとりは、夢だったのかな…。と、思ったのもつかの間「夏っちゃんのこと考えてるよ。迷惑かなーーー。でも考えるくらいいいよな」と佐伯からのメール。
佐伯とのことは夢ではなかったと思い知った夏だったが、こんな自分の身の上に、何かが始まりそうになっている、そしてそれがイヤじゃない、イヤじゃないけど絶対ダメ…と思う。良を置いて出て行った小牧とは違う、優美香と真樹夫を守り、夫に添い遂げる、社宅の部屋を守る。今はまだ何も始まっていないが、何かが始まる前に、さよならーーーと、夏は佐伯のメールを削除し、着信拒否にした。これで優美香にも携帯を貸せる。隠しごとはイヤ。これでいいのだ、と夏は強制的に進み出してしまいそうな気持ちにフタをしたのだった。

 

夜、降り出した雨を見て、夏は夫の義行を迎えに駅まで傘を持って来ていた。義行が同じ電車に佐伯を見た気がするんだけど…と言ったが、佐伯と会いたくなかった夏は早く帰ろうと、義行を促した。しかし、少し先に佐伯の後ろ姿を見つけてしまった夏は、傘を貸してくる、すぐ戻るから待ってて、と佐伯を追いかけた。
夏から自分に向けられて差し出された傘を、佐伯は夏のほうに押し戻す。送っても送っても戻ってきてしまうメールに、佐伯は少しイラついていた。拒否してるのか、俺は嫌われたのか、と問いただしてくる佐伯に、夏は返す。「隠し事はイヤだし、いや佐伯さんは遊び感覚でいるのかもしれないけ」と言ったところで、佐伯に「遊びじゃねえよ」と遮られた。
夏は佐伯の言葉を信じられずにいた。自分には夫も子どももいるのになんで、と。佐伯は、困らせてるのならごめんと謝りながらも、話せなくなったり、避けられたりするのは勘弁してほしい、ここまで思ってしまうなんて自分でもわかんねぇんだけど…と自分でもわからない気持ちを話し始めた。
そして、傘を貸しに行っただけの夏が佐伯と話しこんでいる姿を見ている、義行がいたーーー。

 

“佐伯のような男がいれば、妻もかわるかもしれない”と言ったのは夫の義行だった。義行は少しずつ夏の変化に気づいてるのだろうか??そして取り返しのつかない愚かなことをしてしまったのは自分だったのだと後悔するのでしょうか。まぁまだそれは少し先のことになりそうですが…。
夏を取り巻く日常は、夏が母であり、夏が“おばちゃん”であることを当然のことだと思っている。そして、世の中も「型」にはまっていることを望み、他者が自分より上か下かで区別しようとしている。登場した勤め先のスーパーの社員の存在は、それをとても印象的に象徴しているように思う。
夏は自分の気持ちを見つめ直すとともに、そういった世の中に切り込んでいって欲しいと思います。

 

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